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2014 年度 実施状況報告書

水から抽出したDNAを用いて水路に生息する魚類を検出する手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26450348
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

小出水 規行  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・資源循環工学研究領域, 主任研究員 (60301222)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード環境DNA / 農業水路 / 水田生態系
研究実績の概要

当研究課題では,農業水路の水から抽出したDNA(以下,環境DNA)の中に,水田水域の代表魚種であるドジョウ(Misgurnus anguillicaudatus)とタモロコ(Gnathopogon elongatus)のDNAが存在するかどうか検出し,その有無に基づいて両種の生息状況を評価する手法を開発する.
平成26年度は,回収効率の高い環境DNAの抽出法について検討し,採水,ろ過,環境DNA抽出の各工程において次の実験を行った.採水については,採水量の違いによる環境DNAの抽出量の差を明らかにするため,水1Lと2Lから抽出した環境DNA濃度を比較した.水1Lからの環境DNA濃度は数ng/μLであったが,2Lでは数10ng/μLとなり,2Lの方が1Lよりも10倍程度,回収効率が高いことを確認した.ろ過については,フィルター材質の違いを特定するため,メンブレンとグラス繊維フィルターによる環境DNA濃度の違いを調べた.両フィルターともに環境DNA濃度に大きな差は認められず,コストの低いグラスフィルターの方が使用にあたって経済的であると考えられた.環境DNA抽出については,市販のカラムキット(シリカメンブレン),標準フェノール抽出法,熱変性法による環境DNA濃度の違いを確認した.環境DNA濃度はカラムキットで比較的安定した値が得られ,フェノール法と熱変性法では環境DNAが回収できない状況も生じた.抽出手順の煩雑さ,抽出後の廃液処理等も考慮すると,カラムキットが環境DNAの抽出に適していると判断された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の当初計画は,回収効率の高い環境DNAの抽出法を検討するため,採水量,ろ過フィルター材質,環境DNA抽出法の違いによる環境DNA抽出量の差を明らかにすることである.研究実績の概要に記したように,その内容は計画がおおむね順調に進展していることを表している.

今後の研究の推進方策

平成27年度は,Polymerase Chain Reaction増幅により,抽出した環境DNAからドジョウとタモロコのDNAを検出する方法を開発する.

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公開日: 2016-05-27  

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