研究課題
再生可能エネルギーの中で、風力や太陽光(太陽電池)と並んで期待されるのが太陽熱利用である。太陽光を直接電気に変換するのが太陽電池であり、日本国内では特に普及が進んでいるが、世界全体を見渡すと、温水を生成する家庭用太陽集熱パネルの普及や、大規模な集熱プラントを利用した太陽熱発電プラントの建設が進められている。太陽集熱パネルは家庭用の温水器として1970年代頃から普及しており、太陽エネルギーの利用効率は40~60%と太陽電池を遥かにしのぐことが知られていながら、その利用先は温水(~70℃)のみに限られ、利用分野を広げる新たな開発はほとんどされてこなかった。しかし、集熱や断念構造に様々な工夫が施されており、100℃前後の低圧蒸気生成に効率良く利用できる可能性がある。本研究では、小型貫流ボイラーと組み合わせ、太陽熱エネルギーによるボイラーの消費燃料及び二酸化炭素排出量の低減を図ったシステムを提案し、その運転特性について検討した。太陽集熱パイプを利用した太陽熱アシストボイラシステムを提案し、太陽集熱パイプである真空式二重管の基礎試験及びボイラーシステムの動作原理および基本性能の検討を行った。(1)真空式二重管は大気圧管に比べて、日射量が弱くても高い集熱温度を維持している。(2)高い日射量がある場合、真空式二重管の集熱効率は外気温度に影響されないことがわかった。(3)真空式二重管を利用したボイラーシステムの運転性能の評価した結果、タンク内の圧力はほぼ予想していた圧力を維持し、安定して低圧蒸気を供給していることを確認した。
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Proceedings of International Conference on Agriculture, Energy and Environment Engineering (AEEE2016)
巻: 3 ページ: 123~131