森林などに生育する植物には、クローナル生長(ルートサッカー・伏条などによる)で形成された大型個体(ラメット)が多く存在する。森林群集を解析する際に個体識別は基本的な問題であるが、大型ラメットを含む植生を調査するには地下部掘り起こしによる破壊計測を行うしかなかく、森林生態学のブラックボックスの一つになっていた。 本研究では、生体インピーダンス測定技術を応用し、植物体に多周波数の微弱な交流電流を流して個体の接続性を周波数応答特性から解析することで、クローナル生長で形成されたラメットの地下接続を非破壊計測で判定する手法の基礎を確立し、植物群集の動態調査を大きく進展させる可能性を示した。
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