研究課題/領域番号 |
26450363
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
久保 守 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (90249772)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 画像計測 / リモートセンシング / 地理情報システム(GIS) |
研究実績の概要 |
本研究は,森林内においてハイパースペクトルカメラを林床から樹冠に向けて使用し,樹木の3次元葉群構造と分光反射特性を同時に計測する技術の開発を目的としている。 本年度は,連携研究者とともに6月から10月まで東京大学北海道演習林において,カラマツ林の樹冠撮影を実施した。このカラマツ林は,数年前からカラマツハラアカハバチによる食害が発生しており,8か所のカラマツ林において,継続的に食害調査を実施している。樹冠の撮影機材は,ハイパースペクトルカメラ,魚眼レンズ付き可視カメラおよび近赤外カメラとインターバルカメラである。 インターバルカメラは林床に常設し,期間中の林冠の時系列画像を取得した。使用した魚眼レンズは全天360度の範囲を撮影できる円周魚眼レンズで,2軸水準器を使ってカメラの光軸を正確に鉛直上向きに調整し,毎回同じ位置で撮影することで,時系列解析に使用できる可視および近赤外の全天写真を取得した。さらにハイパースペクトルカメラを使って,撮影時刻に対する太陽高度および撮影角度の分光反射特性への影響を調べるために,数時間,同一地点で鉛直上向きに連続的に樹冠を撮影し,時系列ハイパースペクトル画像を取得した。以上の通り,樹冠モニタリングデータとして,分光反射特性の季節変動画像データを3種類取得した。なお,ハイパースペクトルカメラに異常が見つかり,修理した。これによる一部の取得データは解析に不適当であった。 また,試行的にUAVを使って上空から林冠を撮影した。連続撮影データをつなぎ合わせる技術はまだ不十分であり,全天写真と融合させる画像処理技術の開発が今後必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の研究期間の2年目として,ハイパースペクトルカメラによる樹冠の季節変動データ,可視カメラおよび近赤外カメラによる全天写真が研究計画に沿って取得できた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度から継続して,ハイパースペクトルカメラおよび可視・近赤外の全天魚眼カメラとインターバルカメラを用いたカラマツ林の画像計測を6月から10月まで実施し,樹冠の分光反射特性の季節変動データを取得する。各種データを融合させて分析比較し,研究課題をまとめる。
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