研究課題/領域番号 |
26450364
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岩本 悟志 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (00373233)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 過冷却 / 微細液滴 / マイクロチャネル乳化 |
研究実績の概要 |
生細胞を長期保存する方法としての凍結保存は有効であるが,培養液中での氷結晶の形成や凍結防御剤による障害を受け,生細胞の機能や生存率が低下することが多い。0℃以下でも氷結晶が生成しない水の過冷却現象を積極的に利用して,凍結防御剤を用いない生存率の高い新規な生細胞の保存方法を提案する。具体的には,-40℃付近まで過冷却状態を保持できる単分散微細水滴に生細胞のモデル細胞として酵母を内包し,保存に適した温度帯を決定する。本年度は(1)微生物の内包に特化したMC乳化モジュールの開発(2)微生物の内包率向上のためのMC乳化システムの改良(3)水滴への微生物の内包 の3項目を実施した。(1)については,従来のマイクロチャネルモジュールをアルコール滅菌することで操作を可能とした。(2)については,乳化の前後が同時に撮影できるシステムを構築し最適条件で微生物の内包を可能とした。モジュールおよび乳化システムを用いて,実際に微生物の内包を行った。条件を変えることでほぼ100%に近い内包率を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
微生物の内包に特化したMC乳化モジュールの開発および微生物の内包率向上のためのMC乳化システムの改良を行いこのモジュールおよび乳化システムを用いて,実際に微生物の内包を行った。その結果,適正な条件を見つけ,研究目的に記載した高い内包率を達成できた。この理由から研究の進捗状況が良好だと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,以下の項目について研究を実施していく。 DSCによる微細水滴内の氷核形成温度の測定 微細水滴に内包された微生物生存率の算出 微細水滴への内包が,微生物に与えるストレス応答の評価
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,モジュール開発やシステムの構築が順調に進んだため,予算の節約ができたため
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次年度使用額の使用計画 |
保存に適した温度や界面活性剤の検討に予算を割き,さらに研究を進めるべく適正な使用に努める。
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