研究課題/領域番号 |
26450365
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
小寺 昭彦 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト上級研究員 (10435589)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 災害モニタリング / リモートセンシング |
研究実績の概要 |
H26年度は、衛星リモセンによる洪水被害判別システム構築に関する研究を中心に進めた。
1. 冠水および生育判別の高精度化: MODIS/AquaおよびMODIS/Terraを合成したデータセットを作成し、これを用いることによる雲ノイズ処理能力を向上を検討した。また、MODISを用いた洪水判別結果と、LandsatおよびPALSARを用いた洪水判別結果の比較作業を開始した。この比較検証結果を基に今後洪水判別パラメータを最適化を進めていく。 2.検証データの収集と精度検証: タイ・チャオプラヤ川デルタおよびカンボジア・メコン川デルタにおいて2015年1月に現地調査を実施し、被害統計資料の収集および過去の被災状況の調査を行なった。被害統計資料には作成方法や分類基準等の違いから、衛星画像判別結果と直接比較できない情報も多く含まれていたが、カンボジアで近年作成された被害統計については分類基準、精度ともに衛星画像判別結果とよく一致することを確認した。 3.準リアルタイム自動判別システムの試作: 準リアルタイム処理を実現する目的で、洪水被害判別の並列・分散処理システムを構築し、計算処理を大幅に高速化した。また、MODIS衛星画像データの自動取得処理を試作した。以上の課題がH26年度中に達成されたことで、当初の計画であったモニタリングシステムの試作研究から、今後は社会実装に向けた研究へと変更して進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
判別精度向上に関する研究については、各地域ごとにのパラメータ最適化が当初計画よりやや遅れているものの、現地情報収集、リアルタイムモニタリングシステムの開発等の課題において当初のスケジュールを前倒しして達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
冠水および生育判別の高精度化研究についてはパラメータ最適化作業を引き続き行っていく。これと並行し、メコンデルタ、エーヤワディーデルタ、チャオプラヤデルタにおける洪水被害状況および適応策に関する調査をさらに進め、メコンデルタにおいてはリアルタイムモニタリングシステムの実用化に向けた活動を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
地域ごとに設定する洪水被害判別パラメータの最適化作業がやや遅れており、その作業に用いる材料・設備の購入がH26年度中に間に合わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
H26年度に購入を見送った物品類を予定どおり購入する予定である。
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