研究課題/領域番号 |
26450366
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
中村 恭之 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50291969)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | CIF特徴量 / スキャンマッチング / 3次元スキャナー / ハイパースペクトルカメラ |
研究実績の概要 |
本研究課題では,三次元距離画像カメラを用いて,複雑な光条件や気象条件によって,空間的・時間的に定常的な計測値の得ることの難しい観測対象の三次元形状モデルを構築することを,非定常物体モデリングと呼び,そのために必要となる,1.屋外環境下において三次元距離画像カメラにより連続的に取得される複数の三次元データから不変な特徴量を検出する方法,2.検出された不変な特徴量に基づいて複数の三次元データをつなぎ合わせて物体認識用のモデルを構築する手法の開発を予定している. これまでに,A. 1.に関する手法を開発するための前準備として,複数の2次元距離データ内で同一のデータを頑健に発見する手法を開発した.H28年度は,この手法を基にして,現有する装置の3次元スキャナーによって取得された3次元データから不変特徴量を検出する予定である.B. 2.に関する3次元モデル構築手法を開発するための前準備として,現有する装置のハイパースペクトルカメラを利用して,みかんの木の果実,枝幹,葉のそれぞれの領域を抽出する手法を開発した.ハイパースペクトルカメラを用いることにより,昨年度開発した超高感度カメラを利用したシステムに比べて,葉の影により見えにくくなっている枝幹をより鮮明に観測できるようなり,枝幹の構造を復元することがさらに容易になった. A.に関しては,H27年度に査読付きの国内会議において研究成果を発表した. B.に関しては,対外的な研究発表は行っていないが,H27年度の学部学生による卒業研究テーマの1つとして,研究成果をまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で開発予定の2手法について,それらの手法の基本となる手法の開発がH27年度中に終了しているが,実際に屋外環境において3次元距離データを取得するための機器(ライトフィールドカメラ)を使用するためのソフトウェア開発に時間がかかり,H27年度中にこの機器を用いた実験を行えなかった.
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今後の研究の推進方策 |
ライトフィールドカメラ用のソフトウェア開発の遅れを取り戻すため,現有する3次元スキャナ―を用いて様々な樹木の3次元距離データを取得して,実験する予定である. この装置によって取得された3次元データから不変特徴量を検出し,複数の三次元データをつなぎ合わせる手法の開発を進める.ライトフィールドカメラ用のソフトウェアが完成した時点で,それらの手法をこのカメラから得られるデータに適用する予定である.さらに,屋外の不整地環境を移動可能なロボットを試作し,実際に走行実験を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,電動車いすを改造して屋外環境を走行可能なロボットを試作する予定であったが,年末に米国製の製品で使用可能なものを見つけたため購入しようと手配したが,年度内に納品できないことが判明したため購入を見送った.そのため次年度使用額が生じる結果となった.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に使用する予定の研究費があるが,この残額は次年度においては,屋外環境を走行可能なロボットを購入するために使用する予定である.さらにそのロボットを改造するために必要な電子部品等を購入する予定である.また,研究成果を発表するためや,類似研究の調査のための旅費を支出する予定である.
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