研究課題/領域番号 |
26450369
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
飯田 賢一 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70290773)
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研究分担者 |
上田 悦子 大阪工業大学, 工学部, 教授 (90379529)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 環境センシング / 移動ロボット |
研究実績の概要 |
近年,農業生産工程管理(GAP)の導入により,農作物のトレーサビリティが注目されている.そこで,本研究課題では農作物の品質向上に不可欠なフィールドサーバに代わる複数台の環境センシング移動ロボットを開発し,農業支援システムの構築を試みる.これにより,移動可能なフィールドサーバが構築され,低コストで,より広範囲なセンシング,より高精度なセンシングが可能となることが期待でき,農作物の品質向上,農業従事者の負担軽減につながると考えられる. 提案システムに求められることは主に次の3つの要素に分けられる.①屋外不整地で走行可能な環境情報収集ロボットであること,②測定した環境情報の可視化が可能なこと,③複数台のロボットをWSN上で環境情報収集を行えること. 平成27年度は,平成26年度に行った本研究課題の第1フェーズである①と②の続きとして,単体システムの実環境における改良点の洗い出し,問題点の改善を行った.具体的には,屋外不整地において走行可能な環境情報収集ロボットの自律走行アルゴリズムの導入,このアルゴリズムを実装した自動巡回システムにより奈良県農業研究開発センターおよび奈良県下の農家にて実地実験を行った.また,環境情報を点と面の両方で可視化し,PCのみならずスマートフォンなどの端末でも環境情報を閲覧可能とした. これらの研究成果は,農業環境工学関連5学会合同大会,信号処理学会(国際会議)にて講演発表するとともに,産官学マッチングフェア(クリエイション・コア東大阪),アグリビジネス創出フェア(東京ビックサイト)にて公表し,広く発信を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試作した環境情報収集ロボットは,十分とはいえないものの農業フィールドにて稼働可能であるとともに,農業従事者のサポートツールとして利用可能であることが確かめられた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,本研究の第2フェーズを開始する.第2フェーズとしては,③複数台のロボットをWSN上で環境情報収集が行えるように,各ロボットにネットワーク機能を搭載し,より広範囲な情報収集システムを構築する.さらに,群ロボットととしての稼働を試み,環境情報の高精度化やロバスト性を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の学会発表での支出が未確定であったことと研究分担者の購入予定物品が購入できなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した次年度使用額は,学会発表旅費と研究分担者の物品購入に充てて,予算執行計画に沿った予算執行を行う.
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