本研究では、牛の初期胚 - 子宮相互作用を調節するメカニズムについて検討した。以下の項目を明らかにした。1)上皮成長因子(EGF)は主に子宮内腔上皮細胞によって産生され、ウシ胚では産生されなかった。2)ウシ子宮内膜のEGFタンパク発現は、着床時期(中期黄体期)のほうが初期及び退行期黄体期と比較して高かった。3)子宮内膜上皮細胞は間質細胞より多くのEGFを産生する。4)EGFは、子宮上皮細胞および間質細胞において、黄体維持因子であるプロスタグランジンE2の分泌を刺激する能力を持つ。5)EGFにより、ウシの妊娠認識因子インターフェロン-τ の産生が刺激されることで妊娠成立する。
|