体外で作出された受精卵の品質は低いことから,受精卵の品質を改善するための技術開発が求められている。我々は,近赤外光照射が哺乳動物受精卵の品質におよぼす影響について調査した。その結果,近赤外光を受精卵に照射することで,受精卵の発生能力を改善することが明らかとなった。その効果は発生ステージで異なっており,特に,発生が進んだ受精卵(胚盤胞)で顕著であった。さらに,近赤外光を照射した胚盤胞を移植し,受胎成績が改善されること,得られた産子が正常であることを明らかとした。これらの研究成果は,我々の技術が哺乳動物受精卵の品質改善技術として有用であることを示唆するものである。
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