研究課題/領域番号 |
26450384
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研究機関 | 独立行政法人家畜改良センター |
研究代表者 |
佐々木 慎二 独立行政法人家畜改良センター, その他部局等, 研究員 (10365439)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 動物遺伝育種学 / ゲノム科学 / 黒毛和種 / 胚死滅 / 受胎率 / ゲノムワイド関連解析 / 繁殖学 |
研究実績の概要 |
黒毛和種・雌牛の受胎率は年々低下する傾向にあり、胚死滅が主な原因の1つと考えられている。本申請では、黒毛和種で、劣性変異では説明できない胚死滅の遺伝的要因を明らかにするため、胚死滅育種価を表型値としてゲノムワイド関連解析を行い、関連ゲノム領域を詳しく調べることで、胚死滅を引き起こす遺伝子とそのリスク多型を同定することを目的として研究を行っている。 平成26年度、ゲノムワイド関連解析の結果、18-29日の間に起こる胚死滅に関連するSNPを10番染色体に1ヶ所、30-60日の間に起こる胚死滅に関連するSNPを7番染色体に1ヶ所検出した。10番染色体の関連領域は約500kbで、領域内には3つの遺伝子が存在した。7番染色体の関連領域は約250kbで、領域内には遺伝子は存在せず、近傍遺伝子までの距離は約240kbであった。また、多型としてゲノムコピー数多型についても検討した結果、1,481頭のSNP情報から861ヶ所のゲノムコピー数多型領域を特定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胚死滅を引き起こす遺伝子と、そのリスク多型を同定することを目的としているが、関連領域をマッピングしたことで平成26年度の達成目標を達成した。また、新たに861ヶ所のゲノムコピー数多型領域を特定したため、この多型についても関連解析を行う準備が出来たため、研究計画通りに研究が進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に得られた結果を基に、関連SNPと連鎖不平衡にある領域内の遺伝子の多型を探索する。加えて、ゲノムコピー数多型領域についても関連解析を行う。多型によって引き起こされる影響を、多型の種類や部位(終止コドン、スプライシングサイト、アミノ酸部位)と、アミノ酸置換を伴う多型については、置換に伴う蛋白質機能への影響をPolyPhen2やSIFTプログラムで判定し検討する。候補となる多型は、平成27年度から平成28年度にかけて、1,469頭の黒毛和種雌牛で型判定を行い胚死滅育種価との関連を調査する。
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