研究課題/領域番号 |
26450389
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
豊後 貴嗣 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (40325361)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 日本鶏 / 闘争性 / 遺伝子多型 / アニマルウェルフェア |
研究実績の概要 |
本年度は、9品種・系統について各種行動試験を行ない、遺伝子多型については、4遺伝子6部位について解析した。(1)持続性不動試験―八木戸において試行回数が最も多く、姿勢持続時間が最も短かった。(2)手動拘束試験―初動時間は、卵用鶏において最も遅く、八木戸で最も早かった。総もがき回数は、八木戸において最も多かった。(3)愛好家軍鶏の比較では、持続性不動試験の試行回数に差はなかったが、下鶏において姿勢持続時間が短い傾向にあった。拘束試験の場合、初動時間に差はなかったが、もがき回数が下鶏において多い傾向であった。(4)MAO4、MOA9においてはともに5つのアリルが検出され、MAO4では卵用鶏において、MAO9では九斤において固有のアリルがあった。ST2、ST10においてもそれぞれ5つのアリルが検出され、いずれにおいても八木戸に固有のアリルがあった。愛好家軍鶏の場合、DRD2は上下鶏とも2個体を除きすべてCアリルに固定されていた。MAO4では2つアリルが検出され、MAO9では4つのアリルが認められ、2つは上鶏に1つは下鶏に固有であった。ST10では4つのアリルのうち1つが下鶏固有のものであった。(5)GHSR遺伝子に認められた対立遺伝子型頻度は、TT型73.68%、TC型25.33%、CC型0.06%で、対立遺伝子頻度は、T対立遺伝子が0.863、C対立遺伝子が0.127であった。各調査項目に対するGHSRおよびDRD2遺伝子型の効果は、姿勢持続時間おいていずれも差が認められた。 以上の結果から、以上の結果から、TIおよびMR試験は、鶏の行動特性の分類指標になること、それらとモノアミン関連遺伝子多型との間に関連性のあること、GHSR遺伝子の対立遺伝子Cは相加的に姿勢持続時間を短くする効果のあることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動試験のビデオ観察によるデータ収集と遺伝子多型分析に多くの時間を要したため、筋肉各部位のアミノ酸濃度測定は未着手である。しかし、行動試験および遺伝子多型分析については、先行して27-28年度計画分をほぼ終了しており、計画全体としておおむね順調に進展しているものと判断される。
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今後の研究の推進方策 |
行動試験のビデオ観察によるデータ収集と遺伝子多型分析を早期に完了させるとともに、並行して筋肉各部位のアミノ酸濃度測定に着手する。
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