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2015 年度 実施状況報告書

日本鶏における闘争性と代謝調節関連の遺伝子多型との関連

研究課題

研究課題/領域番号 26450389
研究機関広島大学

研究代表者

豊後 貴嗣  広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (40325361)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード日本鶏 / 闘争性 / 遺伝子多型 / アニマルウェルフェア
研究実績の概要

本年度は、前年度までの9品種・系統に加えて1品種1系統の各種行動実験を行い、すべての品種系統のオスについて、ドーパミンD2及びD4受容体(DRD2, DRD4)、モノアミン・オキシダーゼ2部位(MAO4, MAO9)、セロトニン・トランスポーター2部位(ST2, ST10))、PMEL17について解析を完了した。(1) 幼雛期における行動反応は、品種/系統間での違いが示され、とりわけ八木戸では著しく異なることが認められた。成長後ではこのような品種/系統差が不明確になるものの、一部の行動反応において幼齢期での反応と相関のあることが明らかとなった。(2) セロトニン・トランスポーター2および10において八木戸固有のアリルが確認された。(3) モノアミン・オキシダーゼとセロトニン・トランスポーターについては行動反応との間に関連性が示され、これら遺伝子多型が行動特性の指標として有効であることが明らかとなった。(4) PMEL17遺伝子多型については第7エキソンの72 bpを1単位とする反復数において、3つのアリル(2回、3回、4回)が認められた。4回反復は八木戸および攻め鶏のみに認められた。闘鶏用シャモは肉用シャモに比べ、3回反復のアリルが高頻度で認められた。反復数2 / 2および2 / 3型と3 / 3および3 / 4型とで比較したところ、後者の攻撃反応とPecking回数が高くなる傾向が認められた。
以上の結果から、拘束、不動姿勢及び突き反応試験は、鶏の行動特性の分類指標になること、それらとモノアミンあるいはPMEL17関連遺伝子多型との間に関連性のあることことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オスの行動試験結果はすべて集計解析を終了した。メスのビデオ観察の記録及び筋肉アミノ酸濃度測定は未完了である。しかし、これらについてもすでに着手しており、9月にはデータ収集を完了して総合解析が行えるよう進行している。したがって、計画全体としておおむね順調に進展しているものと判断される。

今後の研究の推進方策

メスの行動試験のビデオ観察によるデータ収集と遺伝子多型分析及び筋肉アミノ酸濃度測定を早期に完了させ、総合解析を行えるようにする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Evaluation of a modified manual restraint test for estimating fearfulness in laying hens.2015

    • 著者名/発表者名
      Fukano, N., Wada, N., Oka, T. and Bungo, T.
    • 雑誌名

      International Journal of Poultry Science

      巻: 14 ページ: 602-605

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 幼雛期シャモの闘争様行動とPMEL17遺伝子多型.2016

    • 著者名/発表者名
      岡 孝夫・深野夏暉・小牧功典・清水健介・中川明子・豊後貴嗣
    • 学会等名
      日本家禽学会春季大会
    • 発表場所
      武蔵野市、日本獣医生命科学大学
    • 年月日
      2016-03-30 – 2016-03-30
  • [学会発表] シャモ及びプリマスロックの行動反応と気質関連遺伝子多型の比較.2016

    • 著者名/発表者名
      岡 孝夫・深野夏暉・中川明子・清水健介・豊後貴嗣
    • 学会等名
      日本畜産学会第121回大会
    • 発表場所
      武蔵野市、日本獣医生命科学大学
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-28
  • [学会発表] 日本鶏のストレス反応.2016

    • 著者名/発表者名
      岡 孝夫・深野夏暉・豊後貴嗣
    • 学会等名
      ヒトと動物の関係学会
    • 発表場所
      東京都、東京大学農学部アネックスセイホクギャラリー
    • 年月日
      2016-03-05 – 2016-03-06
  • [学会発表] 大軍鶏4系統の攻撃行動と遺伝子多型.2015

    • 著者名/発表者名
      岡 孝夫・深野夏暉・豊後貴嗣
    • 学会等名
      日本鳥類内分泌研究会
    • 発表場所
      豊岡市、兵庫県立大学豊岡ジオ・コウノトリキャンパス
    • 年月日
      2015-11-21 – 2015-11-21
  • [学会発表] 日本鶏の気質関連遺伝子多型と12週齢時の行動反応.2015

    • 著者名/発表者名
      深野夏暉・岡 孝夫・中川明子・清水健介・小牧功典・豊後貴嗣
    • 学会等名
      日本家禽学会秋季大会
    • 発表場所
      江別市、酪農学園大学
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-10

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公開日: 2017-01-06  

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