外来牧草を含む外来植物の増加には、放牧家畜による蹄傷などによる裸地形成や糞中種子が大きく関わっていた。外来植物の侵入などによる草地の荒廃に対する高い種多様性草地が持つ安定性・頑強性には、匍匐性の遺伝子型の在来植物が外来牧草よりも先に裸地侵入することが大きく関わることが一連の研究で明らかとなった。高い種多様性が保たれた夏季の放牧による草地荒廃は生じにくかったが、冬季における放牧によって裸地率の増加が進行することが明らかとなった。蹄傷によって生じた裸地への侵入・定着能力の高い在来植物の遺伝子型が発見され、これら匍匐性の高い新規な遺伝子型の植物は外来牧草の雑草化抑制に機能していると考えられた。
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