旋毛虫感染では宿主の免疫能に大きな影響をおよぼす。今回はマウスにスギ花粉を感作し、旋毛虫感染または旋毛虫分泌タンパク質(Tp53)による宿主の即時型アレルギー反応への影響について検討した。その結果、肺の炎症反応は減弱し、特異的なIgE、IgG2a、IgG2bの産生量は低下した。また、感染マウスまたはTp53投与脾細胞のIL-4、IL-17の産生量も抑制されていた。一方、Tp53は脾細胞のLPS刺激によるNF-κBシグナル経路を抑制したが、その機構はIKKのリン酸化を抑制して、IkBaのリン酸化および分解を阻止して、NF-κB(p65)の核内移行を阻害することによるものと考えられた。
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