研究課題
ワサビ、セイヨウワサビ、マスタードなどに含有される強刺激剤であり、生菌製剤としてグラム陰性菌に対する殺菌効果や増幅期における細菌内部の生合成阻害作用が報告されているAITC(Allyl isothiocyanate)と削蹄の複合療法による牛趾乳頭腫症(PDD)への治療効果を検証した。生菌製剤であるAITC塗布と削蹄の複合治療により、PDDの有力な原因菌と推測されているTreponema様菌は病変部から有意に減少することが明らかになった。疼痛の減少も確認された。この複合治療により、PDDの再発やTreponema様菌の再感染を予防できる可能性が示唆された。PDDの原因菌(群)推定・病態理解のために、AITCならびに抗生物質(リンコマイシン)による治療前後におけるPDD病変部の細菌叢の比較解析をクローニングおよび次世代シークエンサーによって実施した。その結果、Treponema属菌、なかでもT. medium/vincentii様菌およびT. denticola/pedis様菌が病変形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。米国Wisconsin大学獣医学部との共同研究により、T. medium、T. pedis、T. phagedenisの3種のTreponema属菌を各々特異的に検出・鑑別できる3種のリアルタイムPCR法と、この3種に加えてTreponema属菌をも特異的に検出・鑑別できる4種のLAMP法の開発に成功した。これにより、Treponemaの属・菌種レベル双方における、病変部からの迅速なスクリーニングおよび分離株の同定が可能になった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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