研究課題/領域番号 |
26450419
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
李 天成 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (90370957)
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研究分担者 |
網 康至 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (10202699)
石井 孝司 国立感染症研究所, その他部局等, その他 (40280763)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フェレットHEV / 細胞培養 / 動物モデル |
研究実績の概要 |
1.フェレットにおけるフェレットHEVの感染実態調査:フェレット(ペット)の83便検体、10血清検体を用いて日本におけるフェレットHEV 疫学調査を行った。その結果、血清中の抗フェレットHEV IgG抗体の保有率は20% (2/10)であり、糞便中からフェレットHEV RNAの検出率は7.1% であった。遺伝子解析の結果,六つのフェレットHEV株が2つのクラスターに分布され、フェレットHEV遺伝子の多様性を示していた。 2.アメリカ由来フェレットHEVの全長遺伝子配列の解析:アメリカ輸入ラットの糞便を出発材料として、RNAを抽出した。RT-PCR方を用いてフェレット HEV全長配列の増幅に成功した。塩基及びアミノ酸の解析により、アメリカ輸入フェレット由来のフェレット HEVはこれまで報告されたもののホモロジーは81%にとどまり、ふぇレットHEV遺伝子の多様性が示唆された。 3. フェレットHEVの感染実験:フェレットHEVが陽性である10%便乳剤を作製し、フェレットに経口および静脈接種し、血中と便中のウイルス抗原、抗体、ウイルス遺伝子を測定した結果、フェレットHEVの感染経路はヒト由来HEVと同じく経口感染である。感染後、血中のALT/AST、γGTPの上昇が見られ、肝炎を引き起こす可能性を示した。 4.粒子形状の観察:フェレットHEV RNAが陽性である糞便を回収し、20% 便乳剤からウイルスを濃縮した後ウイルスを塩化セシウム勾配密度遠心法によって分画し、電子顕微鏡で直径約35nmの粒子が観察された。 5. フェレットHEVの培養系の樹立:フェレットHEV株をヒト肝癌細胞PLC/PRF/5細胞に接種して、ELISA法、WB法、FA法、RT-PCR法によりウイルスの増殖を確認した。現在、培養細胞および培養上清からウイルス遺伝子を抽出し、その遺伝子配列の同定を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
客観的且つ忠実に実験計画書を書いた。
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今後の研究の推進方策 |
実験計画書通りに研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末納品等にかかる支払いが平成27年4月1日以降となったため、 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。
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次年度使用額の使用計画 |
上記のとおり。
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