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2016 年度 実績報告書

摂食・代謝・繁殖の相互作用解析に基づく繁殖性向上に直結する飼養技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 26450423
研究機関東京農工大学

研究代表者

田中 知己  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20272643)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード栄養 / 繁殖 / 卵巣 / インスリン / 過剰排卵処置 / 子宮 / 臨床細菌学的検査 / 牛
研究実績の概要

本研究では摂食と栄養学的観点から牛の繁殖性向上に直結する飼養管理技術について解析を行った。まず、栄養状態の異なる未経産牛と泌乳牛を臨床繁殖学的に比較したところ、泌乳牛では、黄体、第一卵胞波主席卵胞、排卵卵胞直径が大きく血中プロジェステロン濃度が高いこと、また給餌前後でステロイドホルモン濃度への影響が認められない結果が得られた。従って通常レベルの給餌処置において採食量の増加を伴う泌乳状態は卵巣機能に対する負の影響は生じにくいと考えられた。次に、ヤギにおいて効果が実証されている短期間の間欠的高栄養処置が牛の代謝系および卵巣活動に及ぼす影響を検討した。非泌乳牛を用い、発情周期の黄体期における高栄養給餌処置が卵胞および黄体の発育に及ぼす影響および代謝系および生殖系ホルモン分泌に及ぼす影響を調べた、その結果、間欠的な高栄養処置を施すことにより二峰性のインスリン分泌の増加が引き起されることが明らかとなった。一方、卵胞発育や黄体形成の指標について有意な刺激効果は観察されなかったものの、二排卵する例の増加が認められた。これらの結果を受けて最終年度では、まず高栄養給餌処置が過剰排卵処置の反応性に及ぼす影響を検討した。その結果間欠的高栄養処置を施す前に短期間の制限給餌を行うことで、卵胞発育数が増加する傾向が認められた。さらに栄養状態と繁殖機能との関連について、卵巣機能に加えて卵管および子宮機能について解析を行った。その結果、牛における子宮卵管造影法を確立し、また、子宮内部の臨床細菌学的検査法について子宮灌流液を遠心濃縮することにより、感染が疑われる特定の細菌の検出感度が向上することが示唆され、栄養状態が変動する分娩後早期における子宮内細菌汚染の消失状態について明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 動物の発情発現機構2017

    • 著者名/発表者名
      田中知己
    • 学会等名
      平成28年度日本獣医師会獣医学術学会年次大会
    • 発表場所
      石川県立音楽堂(石川県金沢市)
    • 年月日
      2017-02-24 – 2017-02-26
    • 招待講演
  • [学会発表] 牛における子宮内部の臨床細菌学的検査法の検討2016

    • 著者名/発表者名
      古沢 みのり、遠藤 なつ美、田中 知己
    • 学会等名
      第109回日本繁殖生物学会
    • 発表場所
      麻布大学(神奈川県相模原市)
    • 年月日
      2016-09-11 – 2016-09-15
  • [学会発表] 同一農場で飼育されるブラウンスイス種及びホルスタイン種乳牛の栄養状態・繁殖性の比較2016

    • 著者名/発表者名
      黒木 玲実、遠藤 なつ美、田中 知己
    • 学会等名
      第109回日本繁殖生物学会
    • 発表場所
      麻布大学(神奈川県相模原市)
    • 年月日
      2016-09-11 – 2016-09-15
  • [学会発表] Assessment of tubal patency by hysterosalpingo-contrast sonography in cow2016

    • 著者名/発表者名
      K. Itoh, N. Endo, S. Kataoka, T. Tanaka
    • 学会等名
      2016 ASAS-ADSA-CSAS-WSASAS Joint Annual Meeting
    • 発表場所
      Salt Lake City (Utah, USA)
    • 年月日
      2016-07-19 – 2016-07-23
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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