市販抗ヒトMUC1抗体を用いて,犬の血管肉腫を免疫染色したところ,腫瘍細胞は強陽性を示した。また犬血管肉腫細胞株でウェスタンブロットにおいて,22kDaと予想より小さい陽性バンドが得られ,免疫沈降後のペプチド解析で,Peroxiredoxin6(Prdx6)であることが明らかとなった。さらに犬血管肉腫細胞を用いたPrdx6のknockdownによって,アポトーシスの誘導ができた。また,Prdx6が腫瘍細胞の増殖や浸潤を促進する際に関与するとされるuPA/uPARの免疫染色では,犬の血管肉腫で強陽性像が認められ,Prdx6とuPA/uPARは犬の血管肉腫の悪性増殖に関与することが示唆された。
|