研究課題
本年度は夏季と冬季にブタ精液を採取し,BTS希釈液で希釈・冷蔵保存中にコレステロールを添加,あるい希釈液の重炭酸を除いた希釈液(BTS-H)で希釈・保存し,精子内cAMP濃度に及ぼす季節の影響及びコレステロールと十炭酸の影響を調べた.前年度と同様BTS希釈液へのコレステロール添加が及ぼす精子内cAMP含有量へ明らかな影響をは見られなかったが,夏季の精子のcAMP含有量は,冬季に比べ高い傾向が見られた.BTS-Hで精液を希釈保存した場合においても精子中のcAMP濃度は,BTS希釈液で希釈した場合と大差はなかったが,夏季において高い傾向があった.cAMP含有量と同様,季節変化を調べる目的で精子内Ca濃度の測定を試みたが,抽出量が不足し,測定されるカルシウム濃度がキットの測定限界以であったため.測定方法を確立できなかった.今後抽出量を増やす方法の検討が必要と思われた.ブタ精子の先体損傷度を測定するためのPNA染色法に改良の余地があったので,ウシ凍結融解精子をモデルとして方法の検討を行った.その結果,塗抹標本よりバイアル内で染色する方法がよく,透過処理剤であるトライトンの減量ができ,固定時間は3%パラホルムアルデヒドで30分が適していることが明らかとなった.
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