研究課題
15員環マクロライド(ツラスロマイシン)のエンドトキシン抑制効果【目的】マクロライド系製剤は細菌のタンパク合成を阻害して静菌作用を示すが、新作用としてモチリン様作用、好中球の集蔟抑制、気道上皮細胞の水分分泌抑制が知られており、エンドトキシン(ETX)の炎症誘導に関連したNF-kB活性化抑制など慢性呼吸器疾患に有用である。本年度は牛用15員環マクロライド(ツラスロマイシン)のETXに対する効果を血漿および肺胞洗浄液(BALF)中ETX活性値を指標に評価した。【方法】各群6頭の子牛に対してETXチャレンジ前10、7、4および1日前に生理食塩液(対照群)または2.5mg/kgのツラスロマイシン(Drax群)を投与した。O111:B4-LPSを静脈内投与して経時的に血漿中およびBALF中ETX活性値をそれぞれLAL法により測定した。【成績】ETXチャレンジにより投与後30分目から子牛は呼吸器症状を呈し、ETXに関連する臨床徴候は4時間継続した。対照群の血漿中ETX活性値は投与前の0.503±0.258EU/mLに対して投与後30分目に5.512±2.052EU/mLの最高値を示した。同様にDrax群の血漿中ETX活性値も投与前の0.677±0.511EU/mLに対して投与後30分目に2.513±0.851EU/mLの最高値を示したが、そのピーク値は対照群のそれよりも有意に低値を示した。24時間目のBALF中ETX活性値は対照群の70.7±28.4EU/mLに対してDrax群では48.1±5.8 EU/mLと有意に低値を示した。【考察】15員環マクロライドはETXの炎症回路においてNF-kBを抑制する(H28報告)。本研究によりツラスロマイシンを投与された子牛では血漿およびBALF中ETX活性値を低値に抑制することが示唆されたため、今後はETX抑制機序解明を行う。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 2件)
Journal of Veterinary Medical Science
巻: 80 ページ: 印刷中
10.1292/jvms.17-0710
巻: 80 ページ: 361-367
10.1292/jvms.17-0512
Veterinary Record Open
巻: 4 ページ: e000234~e000234
10.1136/vetreco-2017-000234
巻: 79 ページ: 2043-2047
10.1292/jvms.16-0652
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10.1292/jvms.17-0398
巻: 79 ページ: 1138-1141
10.1292/jvms.16-0631
巻: 79 ページ: 852-854
10.1292/jvms.16-0633
巻: 79 ページ: 795-800
10.1292/jvms.16-0297