研究課題/領域番号 |
26450435
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
森 伸子 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 研究員 (10644536)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脂質過酸化生成物 / 抗脂質過酸化酵素 / 肥満犬 / 肥満猫 / 脂質の質的評価 |
研究実績の概要 |
犬猫にも高脂血症は多く代謝性疾患の重要な予兆であることが多い。診断マーカーとしては脂質の量的評価がほとんどである。そこで蓄積脂質の質的評価を目的とし、脂質過酸化生成物や内因性の抗脂質過酸化酵素をターゲットとして研究を開始した。26年度はアテローム性動脈硬化の重要因子である酸化LDLに関して肥満・コントロール犬猫を対象に、様々な手法で測定研究を行い、ヒトとも比較しながら犬猫の平均値とその傾向を論文にまとめた。同研究実績は、27年4月22日現在、Frontiers in veterinary science animal nutrition and metabolismに投稿し、審査中である。HDLの作用良性あるいは不良を見極める有力マーカーと想定している抗脂質過酸化酵素PON-1に関しては、26年11月にスペインに渡り、実験計画のすり合わせを行った。現在、対象の犬猫検体を収集中である。また、27年3月より肥満前後の猫における蓄積脂質のアディポカインやサイトカイン等を検証する実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に、肥満犬猫の酸化LDLについての原著論文をFrontiers in veterinary science animal nutrition and metabolismに投稿し、審査中である。 PON-1の実験に関しては、国際共同研究ということもあり少々遅れているが、最終確認も済み、検体収集に注力しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
PON-1をはじめとした抗酸化酵素の測定研究を27年夏に開始し、比較解析を行いたい。また肥満前後の猫の蓄積脂質の変化については、より細かな測定ポイントを設定し、炎症性サイトカインやアディポカインなどの測定や脂肪酸の定量を行うことを視野に入れている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、国際共同研究で用いる消耗品代として、26年度に計上した。調整の結果、実験を27年度に実施予定とすることにしたため、当初予定していた相当額を次年度に繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した相当金額は、目的は変わらず国際共同研究の消耗品代として27年度に使用する予定である。
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