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2016 年度 実績報告書

外傷性脳損傷時のグリア細胞の役割-グリア細胞をターゲットとした神経保護薬の探索-

研究課題

研究課題/領域番号 26450447
研究機関大阪府立大学

研究代表者

森山 光章  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20275283)

研究分担者 高野 桂  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50453139)
中村 洋一  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (90180413)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード外傷性能損傷 / アストロサイト / 浮腫
研究実績の概要

前年度までTraumatic brain injury (TBI) による影響を主にアストロサイトを用いて検討し、TBI後に見られるアストロサイトの膨潤を酢酸は抑制することを明らかにした。実験計画の最終年度である平成28年度は、グリア細胞のうちミクログリアにフォーカスを当て検討した。初代培養ミクログリアへLPSを添加し炎症性変化を引き起こしたところ、細胞内グルタチオン (GSH) 量の低下や活性酸素種(ROS)産生の増加が観察されたが、酢酸の同時添加によりGSHは回復し、またROS産生の増加が抑えられ、酢酸は抗酸化活性を発揮すると考えられた。しかし、同様の実験をミクログリア株化細胞であるBV-2細胞を用いて行ったところ、GSHは回復せずROS産生の抑制は認められなかった。したがって、酢酸の抗酸化能はBV-2細胞ではみられないと考えられた。
ミクログリアにTBIの状態を再現できるモデルであるFluid percussionを施し、得られる培養上清をアストロサイトに添加したところ細胞膨潤がみられたことから、ミクログリアから放出された因子が細胞膨潤を引き起こすと考えられた。ミクログリア培養上清を分析したところ、炎症性サイトカイン(TNF-aやIL-1b)の増加が確認された。
さらに、あらかじめグリセリン三酢酸 (GTA) を経口投与することにより脳内の酢酸レベルを増加させた後、in vivo動物にTBIを施すとTBI後の浮腫が抑制されることを見出した。これらの結果から、酢酸の投与は脳内炎症やTBIによる浮腫に対して抗酸化能を発揮することで抑制する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Oral aversion to dietary sugar, ethanol and glycerol correlates with alterations in specific hepatic metabolites in a mouse model of human citrin deficiency.2017

    • 著者名/発表者名
      Saheki T, Inoue K, Ono H, Fujimoto Y, Furuie S, Yamamura KI, Kuroda E, Ushikai M, Asakawa A, Inui A, Eto K, Kadowaki T, Moriyama M, Sinasac DS, Yamamoto T, Furukawa T, Kobayashi K.
    • 雑誌名

      Molecular Genetics and Metabolism

      巻: 120 ページ: 306-316

    • DOI

      10.1016/j.ymgme.2017.02.004.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Acetate Attenuates Lipopolysaccharide-Induced Nitric Oxide Production Through an Anti-Oxidative Mechanism in Cultured Primary Rat Astrocytes.2016

    • 著者名/発表者名
      Moriyama M, Kurebayashi R, Kawabe K, Takano K, Nakamura Y.
    • 雑誌名

      Neurochemical Research

      巻: 41 ページ: 3138-3146

    • DOI

      10.1007/s11064-016-2038-2

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Effects of acetate on LPS-induced nitric oxide production in primary rat microglia and BV-2 cell line.2016

    • 著者名/発表者名
      Moriyama M, Kawabe K, Hashimoto A, Nishimura Y, Matoba K, Takano K, Nakamura Y.
    • 学会等名
      第59回日本神経化学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2016-09-08 – 2016-09-10

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公開日: 2018-01-16  

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