研究課題/領域番号 |
26450451
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
滝沢 達也 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00247305)
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研究分担者 |
宇佐見 誠 国立医薬品食品衛生研究所, その他部局等, その他 (20223521)
田中 和明 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (50345873)
森田 英利 岡山大学, その他の研究科, 教授 (70257294)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 一酸化窒素(NO) / S-ニトロシル化 / プロテオミクス / スピントラップ・EPR解析 / ラット |
研究実績の概要 |
子宮などにおける一酸化窒素(NO)産生をスピントラップ・電子常磁性共鳴吸収(EPR)法などにより解析し、NO の作用や NO 合成酵素の発現調節を報告してきたが、いまだ不明な点が残されている。その大きな要因の一つは、 NO によりシステイン残基のチオール基(―SH)が S-ニトロシル化(―SNO)され、タンパク質の性質が修飾されることにある。ラット子宮におけるNO産生は妊娠中期に著しく増加し、その際、子宮内膜でのアポトーシスも生じている。一方、この時期のNO産生が阻害されると、カスパーゼ経路を介してアポトーシスがさらに促進され、同時に、アポトーシスに促進的に関与するカスパーゼ-3やその阻害因子なども同時にS-ニトロシル化されていた。今回、プロテオミクス解析により網羅的にS-ニトロシル化タンパク質を解析した結果、新たに多数のタンパク質がS-ニトロシル化されていることが判明し、そのうちの一部について同定することができた。今後は同定されたS-ニトロシル化タンパク質の変動等について解析を進めることにより、新たな展開が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回、S-ニトロシル化タンパク質を網羅的に解析した結果、新たに多数のタンパク質がS-ニトロシル化されていることが判明し、そのうちの一部について、プロテオミクス解析により同定することができた。今後、新たに検討可能なS-ニトロシル化タンパク質が多数同定されたことから、実験計画は順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
新規に見いだしたS-ニトロシル化タンパク質の同定作業が進捗してきたことから、S-ニトロシル化タンパク質の個別の動態解析を進めるとともに、遺伝子解析等、そのタンパク質に応じた解析を行う。同時に今までの研究成果を、学会や学術雑誌に積極的に公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の論文投稿料として予算執行を保留していたが、原稿作成までに時間を要し投稿料として執行できなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の論文発表のための経費に充当させる予定である。
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