妊娠中期のラット子宮内膜のアポトーシスに及ぼす一酸化窒素(NO)の関与を検討した。NO産生を阻害すると活性型カスパーゼ-3とアポトーシス細胞はともに増加したが、同時にX連鎖アポトーシス阻害因子(XIAP)も増加した。また、脱ニトロシル化の主要因子であるチオレドキシンは減少した。さらに、NO産生の阻害により活性型カスパーゼ-3とXIAPのS-ニトロシル化が著しく増加し、これはチオレドキシンの著しい減少と関連していた。 これらの結果は、妊娠中期の子宮内膜のアポトーシスは、カスパーゼ-3とXIAP、その両者のS-ニトロシル化により正負両面から調節されている可能性を示した。
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