研究課題/領域番号 |
26450452
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森山 隆太郎 近畿大学, 理工学部, 講師 (30411573)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精子 / 長鎖脂肪酸 / GPR120 |
研究実績の概要 |
申請者は、長鎖脂肪酸がシグナル分子として精子の運動性を調節すると仮説提唱し、これまでにオメガ3系不飽和脂肪酸やGPR120アゴニストであるGW9508暴露によりICRマウス精子の運動性が亢進することを見出している。そこで、今年度は不飽和脂肪酸暴露時に活性化する細胞内シグナル経路を調べる目的で実験を行った。その結果、Phospholipase C (PLC) 阻害剤であるU-73122やPI3 Kinase (PI3K) 阻害剤であるWortomannin・LY294002に暴露することで、α-リノレン酸やドコサヘキサエン酸暴露による精子の移動速度増加が阻害されることを明らかとした。しかし、MAP Kinase Kinase活性阻害剤であるPD098059・U0126とAkt1/2阻害剤であるAkt1/2 Kinase Inhibitorを用いた実験では明瞭な結果を出すに至らなかった。これらの結果は、オメガ3系不飽和脂肪酸がPLCならびにPI3Kを介してマウス精子の運動性を亢進するメカニズムの存在を示すものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オメガ3系不飽和脂肪酸暴露時の精子運動性亢進に関与する細胞内シグナル伝達経路の一部を明らかとすることができたため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、MAPKならびにAkt経路が関与するか否か詳細な実験を行うこと、ならびに家畜精子を用いた実験を進める必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が順調に進んだため、物品費が当初予定よりも少なく済んだ。また、次年度の家畜精子購入に、当初予定よりも予算を多めに見積もる必要が生じたため、今年度予算の一部を次年度に回すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
これまでに達成できなかったマウス精子内カルシウム濃度測定の実験や、MAPK・Akt経路の阻害剤を用いた実験、ならびに家畜精子を用いた実験を行う。また、最終年度となるため、これまでの実験結果を論文としてまとめる計画である。
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