北秋田市阿仁クマ牧場(くまくま園)で飼育されている5頭の成熟雌ツキノワグマを対象にして、胸部皮下に心拍・体温測定用ロガー(DST milli-HRT、Star:Oddi)を埋め込み、冬眠前から冬眠後の約6ヶ月間、心拍数および皮下体温をモニタリングした。1月には超音波画像診断装置をを使って妊娠診断を行った。特筆すべき研究成果として、妊娠個体の体温と心拍数の関係において、冬眠前時期(着床遅延期間)には両者はおよそ24時間周期の変化を示したが、冬眠導入後の胎子発育時期には高体温を維持しながら心拍数は一過性のピークを示し、出産後には体温と心拍数が同調して周期性のない数日間隔での増減を繰り返した。
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