研究課題/領域番号 |
26450456
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
竹内 崇師 鳥取大学, 農学部, 教授 (10325061)
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研究分担者 |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 教授 (00182593)
竹内 崇 鳥取大学, 農学部, 教授 (20216849)
浅野 淳 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (90312404)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ラクトフェリン / ラクトフェリシン / TLR / アポトーシス / 常在細菌 / 胚移植 / 胚着床 / 精子 |
研究実績の概要 |
本研究ではラクトフェリンによるTLRを介した精子形成異常の制御機構を解明するために実験を行い、以下の事柄を明らかにした。
・ラクトフェリンおよびラクトフェリンの分解産物であるラクトフェリシンについて、C57BL/6およびICRマウスに連続経口投与した後に精巣上体を採取し、精液中への体内移行をウエスタンブロッティング法により確認した。続いて精液中の精子細胞が発現するアポトーシス関連遺伝子をリアルタイムPCR法により検出した。また尿管に認められる細菌群の相違をラクトフェリンおよびラクトフェリシン投与群と未投与群において比較検討した。さらにTLR2および4のリガンドであるLPSおよびPam3cysと共にラクトフェリンおよびラクトフェリシンを精子培養液に添加することで、形態異常上等の変化の有無を蛍光抗体法を用いて検出した。 ・ラクトフェリンおよびラクトフェリシンと共に培養した精子を用いて体外受精を行い、発生した胚の分化に関連する機能的な遺伝子の発現について、リアルタイムPCR法により検出した。続いて発生した胚を仮親のマウス卵管に移植し、着床や胚の発生状況を確認した。また免疫染色及びin situ hybridization法を用いてタンパクおよび遺伝子の発現について検討すると共に、リアルタイムPCR法により関連遺伝子を検出した。
以上の結果から、ラクトフェリンラクトフェリシンによる細菌に起因する精子形成異常と細胞死が抑制されることが明らかになるとともに、受精率や着床率の向上が認められることが明らかとなり、生殖医療に貢献し得ることが示された。
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