本研究は以下の6過程での進行に基づき計画している。それぞれの進行状況を記していく。1)サンプルの収集:延長年に当たる本年は採集調査を実施していない。これまでに形成したサンプル提供の協力体制から、協力依頼に応じていただいた昆虫同好者の方々より追加のサンプル提供を頂いた。2)サンプルの同定:これまでに収集したサンプルについて、糞虫類を中心に同定作業を進めた。3)DNAバーコード領域の塩基配列の決定:特にクワガタムシ科を中心に、標準プライマーセット(LCO1490とHCO2198)および代替プライマーを用いた塩基配列の決定を進めた。4)サンプル情報およびDNA配列のデータベース登録:DDBJへの登録に向けて塩基配列データについて、および「昆虫学データベース」の「日本産コガネムシ上科甲虫DNA barcodingデータベース(JScaBOL)」への追加登録に向けて、サンプル情報と塩基配列データについて整理を進めている。5)サンプル標本およびDNAの保存:九州大学大学院比較社会文化研究院に設置したDNA保存用の冷凍庫に、これまでのDNA抽出したDNAを保存している。その他のサンプル標本についても、九州大学大学院比較社会文化研究院の標本庫に保存をしている。6)学会発表および論文化による公表:クワガタムシ科を中心に日本昆虫学会大会(1題)、日本甲虫学会大会(2題)および九州・沖縄昆虫研究会・日本鱗翅学会九州支部合同大会(3題)において口頭およびポスター発表を行い、これまでの成果を報告した。また、得られた結果について、順次取りまとめの上、論文化を進めている。
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