微生物の殺虫効果を増大させるタンパク質フゾリンの作用機作の一環として、フゾリンが昆虫中腸内の囲食膜に直接作用することを、虫体の免疫組織化学的手法により初めて明らかにした。さらに、プロテアーゼ阻害剤を食したカイコ囲食膜のフゾリンによる破壊程度が低下する現象を発見し、破壊プロセスの終盤に中腸内プロテアーゼが関与している可能性を発見した。更に、海外の研究者らとの共同研究によりフゾリンの立体構造解析等を行い、フゾリン類がキチンモノ酸化酵素であり、消化液の高アルカリによってその結晶体から遊離して初めて活性を発揮することを明らかにした。また、フゾリン添食後の囲食膜形態の定性的変化を詳細に明らかにした。
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