世界自然遺産候補「沖縄やんばる」は、数多くの希少種を抱えるとともに、林業の長い歴史を持つ地域である。当地の保全のためには、人の利用と森林環境の歴史的な相互関係を解明する必要がある。しかし、戦前の資料の多くが沖縄戦によって失われた。本研究では、「沖縄やんばる」の最重要地域である国頭村において、近代の森林利用の実態解明のために、知られていない歩道や林道、開墾の遺構を探索した。本研究を通して、多くの歩道、林道、開墾の遺構が見つかった。それらは、現在とは形態が異なるものの、近代に活発な森林利用があったことを示していた。
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