哺乳動物の精子頭部には、先体とよばれるゴルジ体由来の細胞内小器官が存在する。我々は先体タンパク質のACRBP-Wとその選択的スプライシング変異体ACRBP-V5に着目し、遺伝子改変マウスの解析を行った。その結果、ACRBP-Wは精子セリンプロテアーゼAcrosinの自発的な活性化を制御すること、ACRBP-V5は精子形成過程での先体顆粒の形成に関与することが明らかになった。また、ACRBP-V5の欠損により、球状精細胞でのアクチン細胞骨格の異常形成が見い出された。アクチン構造を詳細に観察するため、アクチンを特異的に認識するプローブLifeactを発現するマウスの作製・解析を試みた。
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