研究課題/領域番号 |
26460013
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長光 亨 北里大学, 薬学部, 教授 (90300756)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 合成化学 / 創薬化学 |
研究実績の概要 |
全世界におけるガンによる年間死者数は年々増加すると予測されており、副作用が少なく、低用量で効果を示すガン細胞選択的な新しいタイプの分子標的治療薬の開発が望まれている。そのような中、ガン細胞選択的に作用する抗ガン剤の標的として、DNA修復機構のG2 checkpointが注目を浴びており、北里大学においてその特異的阻害剤である新規天然物habiterpenolが発見された。申請者は、今後の創薬研究を進めるためにも新規誘導体の合成に対応可能な応用性の高い、habiterpenolの全合成経路の確立を目指し研究に着手している。現在、申請者が考えた合成計画に従い、合成研究を進めており、鍵反応が期待どおり進行することまでを確認している。おおむね計画どおり進んでおり、今後も全合成の完了に向けて鋭意努力を続けていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度中に全合成を完了することはできなかったが、鍵反応が期待どおり進行することを確認し、全合成もほぼ終盤まできていることから、当初の計画どおり、今年度(2年目)中に全合成経路の確立を完了したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、申請者が考えた合成計画に従い全合成研究を進めて行く予定である。達成後、まずは不明であったhabiterpenol の絶対立体配置を明らかにし、更に本合成経路を応用して大量合成を行い、いまだ実施できていない種々の詳細な生理活性試験や毒性試験に供する予定である。 上記の研究が終了後、habiterpenolの構造活性相関研究を進める。合成中間体、並びに構造簡素化体や立体化学を欠如した新規誘導体を種々合成していく予定である。 現在のところ、計画どおりに研究が進んでいるため、新たな推進方策を実施する予定はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額(「次年度使用額(B-A)」>0)が生じた理由は、初年度合成研究を進めるにあたり、新しい試みをすることが多かったため、合成スケールが小さかった、すなわち消耗品である試薬や溶媒の使用量が予定より少なくて済んだためである。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度にある程度合成経路が確立できたので、2年目は合成スケールが大きくなる、すなわち消耗品である試薬や溶媒の使用量が増える予定である。そのため、翌年度(2年目)分として請求した助成金と合わせた使用していく予定である。
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