分子内不斉転写反応は、キラルな環状化合物を合成する上で有用な反応の一つである。1位置換テトラヒドリソキノリンの合成では、キラルなアミノアルコールに対してビスマストリフラートを触媒量作用させる方法が有効であると報告したが、8位に置換基を有する環化体を高い光学純度で合成できないなどの問題点があった。本研究では、ビスマストリフラートに代わる触媒として過塩素酸が有効に機能することを見出した。さらに、6位と8位に置換基を有するテトラヒドロイソキノリン環の構築を経て、アルカロイドであるシュルザインBの形式合成を達成した。
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