人工血液は血液型や感染症の問題がなく、長期間の保存ができる。本申請では、今まで顧みられることが少なかった、ヘモグロビン類似物質であるミオグロビンを利用した人工酸素運搬体の開発を目的とした。成果の骨子は、①酸素結合部位にある鉄ポルフィリンの骨格構造を変換してミオグロビンの酸素親和性を適度に下げたこと、②ヘム中心金属を鉄からコバルトにした人工ミオグロビンをつくり酸素結合特性を調べたこと、および③人工ヘムで再構成したミオグロビンを赤血球膜を模した有機ナノチューブに封入した超分子複合体を開発したことである。これらを追求する過程で,溶液のpH等などの浮かび上がる問題点も検討した。
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