これまでに多くの研究者により、ナノメディシン(ナノ医薬品)と呼ばれる機能性ナノ粒子に関する研究・開発が行われてきた。しかし、機能性ナノ粒子の大部分は注射剤によるものがほとんどであり、ナノメディシンの実用化の障壁となってきた。筆者は、これまで培ってきたスプレードライ技術を用い、吸入剤用のナノコンポジット粒子(ナノ粒子含有マイクロ粒子)の開発を行った。これらのナノコンポジット粒子は、肺組織に直接薬物送達できるだけでなく、肺組織深部の肺胞領域を通過して、血液中にも送達される可能性があるため、全身性疾患にも期待できる。極小の金ナノ粒子およびナノクルクミンを含むナノコンポジット粒子を用いて検討を行った。
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