タクロリムス(TL)は、アトピー性皮膚炎(AD)の治療に用いられている。ADの皮膚は、その生理的状態が種々変化している。我々は、動物モデルを用いて、皮膚バリア機能と血流変化のTL全身吸収との関係を研究した。皮膚バリア機能の低下とTLの全身移行は、AD皮膚においてよく相関し、軟膏を希釈することで、全身移行を抑制できた。TLの全身移行と皮膚中濃度の関係は、2相性であり、TLの皮膚組織への結合が飽和することが示唆された。 このTLの皮膚内動態を制御するため、微粒子キャリアのデザインを行った。それを構成するシクロデキストリン誘導体は、TLの膜透過速度を制御する有用なツールとなることが示された。
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