アンドロゲンや胆汁酸をはじめとする新世代神経活性ステロイド (NS) の生合成・代謝系を標的とする精神・神経疾患の創薬や治療法開発を究極の目標に,独自のESI増強重水素標識試薬とLC/MS/MSを組み合わせた新規手法を確立し,新世代NSの脳内存否,レベル変動などを解析した.まず,ミアンセリンやミルタザピンが脳内アロプレグナノロン (GABA作動性NS) 量を増加させ,抗不安作用を発揮する可能性を見出した.また,ラット脳内胆汁酸 (ケノデオキシコール酸など) のレベル,これらの大部分が末梢由来であること,脳内への輸送はその脂溶性に依存した単純拡散である可能性が高いことなどを明らかとした.
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