短鎖二本鎖RNA(siRNA)を肝転移がんに送達するための手法として、負電荷ポリマーであるコンドロイチン硫酸(CS)の投与直後にsiRNAと正電荷リポソームの複合体(siRNAリポプレックス)を投与する連続投与法を開発した。CS投与直後にsiRNAリポプレックスを投与すると、血液中で赤血球などの血液成分とsiRNAリポプレックスの凝集を回避することで肺でのsiRNAの集積性を抑制し、がんが転移した肝臓全体にsiRNAが集積すること、さらに連続投与法によりがんの転移に関わるprotein kinase N3に対するsiRNAを投与すると、転移がんの増殖を抑制できることを明らかにした。
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