デポ(depot)機能をもつ人工エラスチンが注射投与可能な生体吸収性エラストマーとして機能すること、この人工エラストマーは遺伝子レベルで合理的に分子組成・鎖長・化学架橋点を設計でき、薬物送達の基盤技術の1つである徐放化の担体としてプラットフォーム化できること、さらには抗原の免疫原性を増強・延長するアジュバントと成り得ることを見出した。試験管内~動物試験までの評価系が確立しているワクチン抗原:破傷風トキソイドに焦点を当て解析を進めた結果、抗原をデポ製剤化する意義が明らかとなった。当該研究で見出された人工エラストマーは、新規ワクチン開発の基盤構築に貢献できる生体材料として今後の展開が期待される。
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