研究課題
ABCタンパク質サブファミリーDに属するABCD1-4に関して、ペルオキシソームに局在するABCD1-3の基質輸送機構ならびにABCD4のリソソーム局在化機構と機能を解析し、以下に示す成果を得た。1.ABCD1のacyl-CoA thioesterase 活性を精度よく測定できる新たな測定系を構築した。His-ABCD1を精製しプロテオリポソームを作製することにより、直接ABCD1のacyl-CoA thioesterase 活性を測定することが可能になった。膜貫通領域のSer残基をAla置換した変異型ABCD1を作製し、Ser149が活性中心である可能性を示唆した。一方、ABCD1のWalker A motifに変異を入れATPase活性を消失させた変異型ABCD1(K513R)は、acyl-CoA thioesterase活性を保持していた。ABCD1の脂肪酸CoA輸送機構におけるacyl-CoA thioesterase 活性とATPase活性の役割について詳細な解析が可能になった。2.ヒトABCD2ならびにABCD3遺伝子を改変することにより、それぞれP. pastorisで発現させ、ATPase活性を保持した状態で精製することに成功した。ABCD1-3間の基質輸送の多様性の解析が可能になった。3.ABCD4がLMBD1と小胞体膜上で複合体を形成し、LMBD1のリソソーム移行シグナルによりリソソームへの局在化することを明らかにした。4.ヒトABCD4をP. pastorisに発現・精製し、ATPase活性を保持した状態でプロテオリポソームを作製できた。ヒトLMBD1も発現が可能になった。ABCD4単独ならびにABCD4とLMBD1を共発現させることにより、ABCD4のビタミンB12輸送機構とLMBD1の役割の解明が可能になった。
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J Inherit Metab Dis Rep
巻: 印刷中 ページ: 未定
not yet determined
J Inherit Metab Dis
巻: 39 ページ: 725-731
10.1007/s10545-016-9952-y
Sci Rep
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http://www.pha.u-toyama.ac.jp/laboratory/cellbio/index.html