研究課題
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)の原因遺伝子産物の一つであるATP8B1は、これまでにホスファチジルセリンのflippaseと考えられてきたが、ホスファチジルコリンを特異的基質とすることを見出した。PFICのもう一つの原因遺伝子産物であるABCB4はホスファチジルコリンのfloppaseであることが知られていた。両者を共発現してアッセイを行うことで、二つの酵素がホスファチジルコリンのflip-flopしていることが分かった。さらに、ATP8B1以外にホスファチジルコリンをflipするATP10Aを同定し、細胞膜ダイナミクスに関与することを新たに見出した。
2: おおむね順調に進展している
PFICの原因遺伝子産物であるATP8B1とABCB4が協調してホスファチジルコリンをflip-flopすることが分かった。さらに、ホスファチジルコリンをflipするATP10Aを同定した。ATP8B1やATP10Aは細胞膜ダイナミクスに関与することを見出した。
ホスファチジルコリンをflipするP4-ATPaseの調節メカニズムを調べていく。現在、PMAによりホスファチジルコリンのflip活性が上昇することを見出しているので、どのP4-ATPaseが活性化されるのか、またそのP4-ATPaseの結合タンパク質を同定しその調節メカニズムを調べていく。
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