研究実績の概要 |
ECS(SPSB1)、 ECS(SPSB2)、およびECS(SPSB4)(ECS(SPSB1,2,4))の個体レベルにおける生理機能を明らかにするために,ECS(SPSB1,2,4)の機能を抑制するタンパク質(誘導型NO合成酵素(iNOS)のN末1~118アミノ酸部分;ECS(SPSB1,2,4)インヒビター)を可逆的にマウスに発現させるためのTetシステムの構築を進めた。発現系の機能確認として、マウスマクロファージ細胞株のRAW264.7細胞にTet-ONシステムを導入することにした。導入の第一段階として,pRevTet-ONベクターをRAW264.7細胞に導入し,得られたRAW264.7-TetON細胞に,第2段階としてpRevTRE-iNOSベクターを導入した.こうして得られたRAW264.7-TetON-iNOS細胞にドキシサイクリン(DOX)を付加すると、24時間後にはiNOSがDOX未処理の細胞よりも優位に発現することを確認した。しかしながら、DOX未処理の細胞においても無視できないレベルのiNOSの発現(リーク)が確認された。したがって、このリークをできる限り少なくするための何らかの方策が必要であることがわかった。 ECS(SPSB3)による転写制御因子Nrf3の機能調節についても検討した。Hela細胞にNrf3を過剰発現させるとNQO1の発現が抑制されるが、SPSB3を共発現させると、NQO1の発現が回復した。この結果から、SPSB3はNrf3によるNQO1の転写抑制機能を負に制御することが示唆された。
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