ミトコンドリアに過剰なカルシウムが取り込まれると、その膜透過性が亢進する「透過性遷移」という現象が引き起こされ、細胞死が誘導される。ミトコンドリアへのカルシウム取込みは透過性遷移の起点だが、その取込みの仕組みは十分に理解されていない。 本研究では、酵母を使って、ミトコンドリアカルシウム取込みの制御機構を詳細に解析できる独自の実験系を構築した。この実験系を用いた検討の結果、MCUとEMREというタンパク質がカルシウム取込みの本質的な制御因子であることを明らかにした。また、EMREについて詳細に解析を行い、EMREがMCUの形成するチャネル孔を開孔状態に固定する因子であることを提唱するに至った。
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