ヒト単球系細胞株のマクロファージへの分化過程における抗酸化酵素SOD3の発現制御機構を解析したところ、細胞内銅イオン依存的に制御を受けることを明らかにした。また、銅輸送タンパクAtox-1がSOD3遺伝子の直接的な転写因子として機能することを見出した。細胞内銅イオン動態の変化とエピジェネティクスとの関連性を検討したところ、ヒストンのアセチル化修飾に細胞内銅イオン関与の可能性が示唆された。以上、本研究成果はレドックス制御機構としての細胞内銅イオン動態の役割をクローズアップするものであり、血管系疾患の治療・予防に向けて有益な知見を提供できたものと考える。
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