FAM83Hは歯の優性遺伝性低石灰化型エナメル質形成不全症の原因遺伝子である。これまでに我々は、FAM83Hが、大腸がん細胞において、ケラチン骨格制御に関わっていることを明らかにしてきた。本研究課題では、エナメル上皮系細胞株においても、FAM83Hがケラチン骨格構築を制御していることを明らかにした。FAM83H変異タンパク質の発現で、エナメル上皮系細胞のケラチン骨格が壊れることが明らかになり、それに付随してデスモソームの形成に異常が出る可能性が示唆された。さらに我々は、ヒトの患者と類似のFAM83H遺伝子変異を持つマウスを作成した。現在、このマウスを用いて、in vivoでの解析を進めている。
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