本研究では、神経幹細胞の時点からUbiad1欠損となるNestin-cre Ubiad1-CKO(CKO)マウスを作出した。このCKOマウスは、正常に出生したが成長遅延が認められた。10週齢における脳組織中Ubiad1発現およびMK-4濃度は著しく低値か検出限界以下であり、CKOマウスでは、脳組織全体でUBIAD1が欠損しMK-4欠乏となった。また、脳機能では短期記憶能力、恐怖心、運動協調性の低下が観察され、脳組織解析により小脳萎縮とプルキンエ細胞の消失が観察された。このことから、脳神経系においてUBIAD1およびMK-4は特に小脳の構造機能維持に必須の役割を担っていることが明らかとなった。
|