研究課題/領域番号 |
26460089
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
下薗 哲 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (40391982)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 蛍光タンパク質 / レチノイン酸 / FRET |
研究実績の概要 |
我々はこれまでに遺伝子にコードされたFRET型レチノイン酸プローブ(GEPRA)を開発し、ゼブラフィッシュにおいてレチノイン酸分布の後脳発生における意義について明らかにしてきた。オリジナルのGEPRAは高発現させると細胞内に凝集体を形成する傾向があったが、改良を加えることにより解消した(mGEPRAと命名)。 本年度はレチノイン酸に対するアフィニティーの低いmGEPRA (mGEPRA-AA)、及びネガティブコントロールとなる(レチノイン酸に反応しない)FRETプローブを発現するトランスジェニックマウスを樹立した。樹立したmGEPRA(高アフィニティー)トランスジェニックマウス胎生7.5日胚のノード付近のレチノイン酸分布の可視化を試みた。これまでに知られているレチノイン酸合成酵素、分解酵素の発現パターンと矛盾のないレチノイン酸分布の検出に成功した。今後、レチノイン酸代謝酵素やレチノイン酸結合タンパク質の発現パターンとのより精密な対応付けを行う。更にレチノイン酸は体の左右軸の決定に関与する可能性が指摘されている。胚の左右にレチノイン酸濃度の違いがないかなどより精密に解析していく。 合成レチノイドは医薬品として用いられている。合成レチノイドの体内での検出の可能性を検討するため、mGEPRAの種々の合成レチノイドに対する反応を検討した。具体的にはmGEPRAをHeLa細胞に発現させ、各種合成レチノイドを投与し顕微鏡下に反応をmGEPRAシグナルの変化を測定した。この結果、mGEPRAによって好感度に検出できる合成レチノイドを数種類見出した。用量作用曲線など詳細を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レチノイン酸インディケータの改良を行い、マウスへの応用の段階に入っているので研究は概ね順調に進展しているものと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
マウスにおけるレチノイン酸濃度分布の測定を進める。更に今後の体のより深部からの測定を見据え、プローブの改良も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通りに支出を行ったが、値引きなどの関係で誤差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度分と合わせて適切に使用する。
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