糖鎖はタンパク質の物理的性質や分子間の認識に影響する。老化などによる糖鎖変化はアミロイド前駆体タンパク質(APP)のプロセシングに影響する可能性がある。そこで、APP代謝における糖鎖変化の影響を検討した。アルツハイマー病(AD)脳におけるO型糖鎖の合成酵素であるGALNTファミリー遺伝子の発現解析から、GALNT6などいくつかのアイソザイムがADで増加することが明らかとなった。また、GALNT6によるAPPの特定の部位のO型糖鎖修飾がAβの産生を抑制することが明らかとなった。本研究により、糖鎖修飾がアルツハイマー病の病態に関わることが明らかとなった。
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