研究成果の概要 |
アルポート症候群 (AS) は小児で最も頻度の高い遺伝性糸球体腎炎であり, 患者はほぼ例外なく若年で末期腎不全に至る難治性の腎疾患である. これまで,本研究室ではpodocyte における癌抑制遺伝子p53が AS の腎病態に対して, 保護的に作用することを見出した (J Am Soc Nephrol. 2016).本研究では,p53によっても調節を受けることで知られるミトコンドリアに着目し,AS に対するミトコンドリア機能補完による腎病態改善効果の検討を行った.その結果,ミトコンドリア機能補完薬 MitoQ は, AS の腎線維化や炎症性サイトカインの発現を有意に抑制した.
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